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開設の許可について

開設の許可について

臨床研修終了医師(歯科医師)又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、所在地の都道府県知事等に届け出る必要があります。(医療法8条)

(実際は、届け出に際し事前相談等が必要です)

 

上記以外、下記を開設する場合は、都道府県知事等の「許可」が必要です。(医療法7条)

ちなみに、医療法人を設立する場合は別途、事前に「認可」が必要です。(医療法44条)

 

①病院を開設しようとするとき

②臨床研修等終了医師(歯科医師)でない者が診療所を開設しようとするとき

③助産師でない者が助産所を開設しようとするとき

 

①は、個人や法人(医療法人等)が病院を開設する場合を想定していますが、個人は医師とは限りません。

 

また、②・③は、医師でない個人あるいは法人が、診療所や助産所を開設する場合を想定しています。

 

ただ、「医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について」の通知には、「医療法第7条に定める開設者とは、医療機関の開設・経営の責任主体であり、原則として営利を目的としない法人又は医師(歯科医業にあたっては、歯科医師)である個人であること」としています。

 

そのため、現実的に医師でない個人が病院や診療所の開設申請をする場合は、受理されることは難しいと考えていいでしょう。

 

なお、過去に、医師でない個人から病院開設の許可申請があった場合、許可を出すべきか否かという下記1~3の疑義照会(昭和45年)が当時の厚生省にありました。

 

1.医師でない個人が病院を開設しようとする場合はすべて営利を目的とするものと考えるべきか

 

2.医師でない個人が病院を開設しようとする場合にも、営利を目的としない場合がありうると考えてよいか

 

3.知事は、営利を目的として病院を開設しようとする者に対して許可を与えないことができる、となっており営利を目的とすることの認定及び立証の責任は知事にあるようになっているが、医師でない個人から開設許可の申請があった場合の営利を目的としていることの認定及び立証は、どのような根拠によるべきであるか、明確な基準をお教え願います。

 

ここで問題になっているのは、医療法7条4項(現行医療法7条6項)の規定についてかと思われます。(営利目的で病院等を開設しようとする者に対して、開設の許可を与えないことができる旨の規定)

 

厚生省からの回答としては、

「医療法第7条第4項に規定する営利を目的とするか否かの判定は、医療施設の開設主体、設立目的、運営方針及び資金計画等を総合的に勘案して行うべきものと解する。

なお、医療法においてとくに医療法人の制度が設けられている趣旨等を考慮した場合、その開設の主体についても公共的な目的を達成できるような体制を整えることが適当と考える。」

 

この回答が明確な基準を示しているかどうかは置いておくとして、特に後段の文章が重要です。

 

つまり、結論として、「営利を目的としていることの認定とか立証とか根拠とか、正直こっちもよくわかんないけど、病院開設するなら医療法人設立してもらって申請しなおしてもらったほうがいいんじゃない?」といったところでしょうか。

 

確かに、医師ではない者がなにゆえ病院(医療機関)を開設するのか、非営利を証明する根拠資料とはなにか、など判断が難しいところです。

 

この疑義照会は、非医師の病院開設についてのものなので、医師が申請をした場合、果たして医療法人設立まで求めたかは気になるところですが、医療法人制度の趣旨といった上記のような言い回しは医療法人以外の非営利法人による開設の可否の際もよく使われます。

 

余談ですが、営利法人が職員の福利厚生の目的で医療機関を経営する場合(例えば大企業が自社の中に、社内診療所のような形で設置するような場合)は、許可される場合があります。(医療機関の非営利性の確認と名称についてあるいは医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について等厚労省通知参照)

 

また、法人による許可申請は、必ずしも医療法人のみに認められているわけではなく、社会福祉法人や学校法人あるいは社団法人などの法人も医療機関を経営しています。

 

ただし、これらの法人は数十年前から医療機関を経営しているものが多く、これからあらたに医療法人以外の非営利法人を設立し許可申請が受理されるかは、いわゆる医療法人制度の趣旨に照らして各都道府県知事等の判断になるかと思われます。

 

 

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