医療法人の社員とは
医療法人の社員とは、社団たる医療法人の社員総会の構成員のことをいいます。
株式会社の株主に近いですが、医療法人にどれほど出資(拠出)していても、1人1議決権です。
自然人及び営利法人以外の法人は社員になれます。
医療法上社員の人数は規定がありませんが、設立申請時3名以上と指導されることが多いです。
なお、医療法人運営管理指導要綱では、未成年者について、自分の意思で議決権が行使できる程度の弁識能力を有していれば(義務教育終了程度の者)社員となることができるとしています。
また、持分の定めがある医療法人では、相続等により出資持分の払戻し請求権を得た場合であっても、社員としての資格要件を備えていない場合は社員となることができないとあります。
法人による財産の拠出は、営利、非営利問わず可能です。(医療法人に対する出資又は寄附について平成3年1月17日指第1号参照)
同じく医療法人運営管理指導要綱では、「法人社員が持分を持つことは、法人運営の安定性の観点から適当でないこと」とあります。
持分ありの医療法人では、持分は出資額に応じて取得しますが、法人社員が出資しても持分を持つことは適当ではないということです。なお、持分の取得は出資以外にも譲渡も考えられます。
これは、法人社員が社員になった経緯や意図にもよると思いますが、経営権等の争いから法人社員の退社による持分の払戻請求があると、上記の通り法人運営の安定性に支障が出る虞があります(個人社員でもいえることですが)。
あるいは、バックオーナーによる医療法人の支配、または金銭が絡むことによる法人同士の利害関係の発生なども考えられます。
ちなみに、営利法人が持分を保有しているケースもあるようですが、上記指導要綱の趣旨からすると、営利法人は退社による払戻請求がないとしても、解散時の残余財産の分配があるので、非営利性の観点からすればあまり好ましい状態ではないといえるかもしれません。
(持分あり医療法人の場合) | 営利法人 | 非営利法人 |
出資すること | ○ | ○ |
社員になること | × | ○ |
出資持分を持つこと | △? | △ ※適当ではない |
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